足部に限局した運動開始困難を生じた一例
山田航平

(成田赤十字病院)
両側線条体の梗塞により、
環境依存症候群と使用行動を呈した症例
内田武正

(甲州リハビリテーション病院)
運動開始困難は補足運動野を中心とした前頭葉内側面損傷で生じるとされる。その症候は運動開始、維持など動作遂行に障害を生じるとされている。今回、髄膜種摘出術後に下肢随意運動と歩行能力に乖離がある症例を経験した。一見、足部は弛緩性麻痺の状態にみえるも、歩行時には、補助具や代償動作は必要なく比較的スムーズに歩行ができていた。一方で歩行の開始時や方向転換時に困難さがあり、一連の症状は下肢の運動開始困難による症状と推察される。上肢の運動開始困難や言語面で無言症など、下肢以外に症状は目立たず、下肢、特に足部に限局されていることが特徴と思われる。本報告では症例の脳画像や実際の動画を交えて、症例の症候に関して、ディスカッションを進めていきたい。環境依存症候群とはLhermitte(1986)が報告した、患者が環境の中にその状況に対応するための命令が暗示されているかのような行動を起こす状態である。使用行動も同じくLhermitte(1983)が報告し、物品を触ったり見たりすることで、その物品を掴んだり使用してしまう現象を示す。これらは主に前頭葉の損傷で生じるとされており、特に環境依存症候群はこれまで、前頭葉以外の損傷で生じた症例の報告はない。今回、両側線条体の梗塞により環境依存症候群と使用行動を呈した症例を経験した。なぜ、両側の線条体の梗塞で前頭葉損傷時に生じる症状が出現したかについて考察する。

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